スギ花粉の飛散開始日※は1日の最高気温を1月1日から加算した数字(積算温度)でおおよそ予測が出来るとい
われております。




 積算温度は関東以西350〜400℃、東北北部では210〜280℃が目安になります。
※飛散開始日:花粉が1cm2当たり1個以上2日続けて観測された初日。 

提供するデータは、花粉情報協会によるものです。 

 
積算温度と花粉の飛散について




 スギ花粉がいつ頃から飛散を始めるかは、1月以降の気温に大きな影響を受けます。
 一般的には1月の気温が高い暖冬の年には早く、逆に冬が寒いと遅くなります。しかし、飛散
開始までに必要な温度は地域によって異なり、北の方ほど小さくなります。図は緯度と飛散開
始までの積算最高気温の関係を示したもので北と南では積算最高気温に300度近い差があり
ます。東京から西の地方は1月1日からの最高気温の積算が400度から450度で飛散が始ま
り、北陸や東北南部では300度から350度、東北北部では150度から200度で飛散が始まってい
ます。 


                  



花粉症の対策

監修:東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科
遠藤 朝彦 先生 
 

早め早めの対策が花粉症治療のポイント




 花粉症は自然に治ることはほとんどありません。また症状が出てからでは、十分な治療効果
は得られません。花粉症の治療では、何といっても、「早めの治療開始(初期療法)」が症状軽
減のカギになります。
 花粉症の症状を出にくくする薬(抗アレルギー薬)は、のみ始めてから2週間前後に効果があ
らわれますので、花粉が飛び始める2週間位前からのみ始めることが望ましいといわれていま
す。
 早めに先生に相談しましょう。


 
花粉を吸い込まない13の対策

 
 

花粉症の対策(1)
花粉飛散予報を上手に取り入れる

 花粉症の対策(2)
不用、不急の外出は避ける

 花粉症の対策(3)
眼鏡、マスク、帽子、コートなど 外出時の服装に気をつける



 花粉症の対策(4)
洗濯物は外に干さない


 花粉症の対策(5)
掃除は窓を閉めて行う


 花粉症の対策(6)
布団は屋内で陰干しする


 花粉症の対策(7)
家に入る前にコートを脱ぐ


 花粉症の対策(8)
帰宅したらうがいと洗顔を


 花粉症の対策(9)
外出時に症状が出たら急いで屋内に


 花粉症の対策(10)
掃除機の本体は部屋の外に
  ホースを長くしましょう


 花粉症の対策(11)
旅行先は花粉が飛散していない
             場所を選ぶ


 花粉症の対策(12)
屋外スポーツにも要注意


 花粉症の対策(13)
花粉飛散期の掃除は原則として
                            ぞうきんがけ




お医者さんと一緒に治療計画を立てよう


 毎年花粉症になる方は、本格的に花粉が飛び始める1〜2週間程前から、あるいは少しでも
症状がでたら早めに病院で先生と一緒に治療計画を立てることが重要です。(自分の住んで
いる地域の花粉飛散時期を知るためには、花粉温度計やスギ・ヒノキ花粉飛散傾向などで常
に最新の花粉飛散情報を確認し、参考にしてください。)
 また自分の症状の原因が花粉症なのかどうかわからない場合なども、医師の診察によって
正確な診断を受けることをお勧めします。
 花粉症と診断された場合には、シーズン中の花粉飛散情報などをこまめに確認するととも
に、医師の指導や治療を受け、花粉シーズンをのりきりましょう。

 

 スギ花粉症の症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみや充血などですが、実際
にどのような治療が行われるのでしょうか。


 
 スギ花粉症の治療として、最もポピュラーなのは薬物療法です(表参照)。
 鼻の中にある細胞(肥満細胞)から出てくる、ヒスタミンやロイコトリエンのような物質を「ケミ
カルメディエーター」といいますが、それらが花粉症の症状を引き起こします。
 花粉症の症状を抑えるためには、肥満細胞からそのような物質が出てくるのを抑える「ケミカ
ルメディエーター遊離抑制薬」や、ヒスタミンの作用を抑える抗ヒスタミン薬、鼻づまり、炎症な
どを抑える「局所ステロイド薬」などがよく使われています。
 「抗アレルギー薬」という名称が一般に使われていますが、これは「ケミカルメディエーター遊
離抑制薬」と「第2世代の抗ヒスタミン薬」の両方を指すことが多いのですが、アレルギー性鼻
炎に使う薬全てを指すこともあります。 
 
 
 

 
 本格的に症状が出る前に薬をのむことに違和感のある方もいらっしゃいますが、花粉が連続
して飛び始める前、あるいは軽い症状が出た直後から薬を服用し始める「初期療法」は花粉
症の対策として有効で、シーズン中の症状の悪化を防ぐことができます。
 例えば、最近の第2世代の抗ヒスタミン薬は最大効果が出るまでに多少時間がかかります
が、飲みつづけることで症状改善率が上がりますので、「続けること」が大切です。また、スギ
花粉症はスギ花粉の飛散が2〜3カ月程度ですから、使用期限は限られますので、血圧の薬
などと比較すると長いという程ではありません。更に、第2世代の抗ヒスタミン薬では、眠気や
ふらつき、口渇、便秘、排尿障害、目のかすみ、などの副作用が少ないという利点もありま
す。 
 
 
 薬物治療以外の治療法はありますか。


 
 スギ花粉の原因物質(抗原)を少量ずつ注射で体内に入れ、感受性を減らしていく(体を原因
物質に慣れさせて行く)減感作療法も、抗原の改良によって、最近効果があがってきました。
ほかに、鼻づまりがひどい人で、鼻が曲がっているために片側だけ炎症を起こしやすい鼻中
隔湾曲症、鼻茸(はなたけ:蓄膿症などに付随してできることが多く鼻ポリープともいう)、炎症
のくり返しや血管収縮薬の過度の使用で粘膜が肥厚している肥厚性鼻炎が見られる場合に
は、手術をするケースもあります。 
 
 
 妊婦や子供の治療で気をつけることはありますか。


 
 妊娠中はスギ花粉症を含め、アレルギー性鼻炎の症状が悪化することがよくあります。しか
し、妊娠4カ月の半ばまでは薬物療法は避けるほうが安全です。入浴で体を温める、蒸タオル
で鼻を覆う、マスクをきちんとするなど、薬を使わない方法をまず試します。妊娠4カ月以降で、
どうしても薬が必要ならば、ケミカルメディエーター遊離抑制薬、局所ステロイド薬などの局所
治療を最少の用量で使います。
 子供は他のアレルギーの合併が多く、感染症にもかかりやすい傾向があります。薬の使い
方も大人と異なることもありますので、耳鼻咽喉科や眼科、小児科の診察を早めに受けること
をおすすめします。 
 
 
 最後に スギ花粉症に悩む患者さんへ、病院の先生からのアドバイス




 スギ花粉症は命に関わる病気ではありませんが、日常生活の質をかなり落としてしまいま
す。
 残念ながら、現在のところ、完治させる方法はありません。症状の強さや出る時期には個人
差がありますから、ご自分の症状の強さや出始める時期をよく知って、治療を医師任せにせ
ず、医師と一緒に治療を計画して、乗り越えていただければと思っています。


 
本文監修: 獨協医科大学耳鼻咽喉科学気管食道科教授 
                         馬場 廣太郎先生